top of page
検索

「今の若い者は」


 私が30年前に入社したころ、私の大先輩は、若手社員に対して、「今の若い者はどうして・・・なんだ」という言葉をよく耳にしました。そして、30年経った現在、当時大先輩から怒られていた張本人が、若手社員について「どうして若いやつは・・・なんだ」と愚痴を言っていました。古代ギリシャの哲学者であるソクラテスでさえも当時嘆いていようです。「ソクラテスの弁明」によると、ソクラテスも「最近の若者はどうしたのだ。目上の者を敬いもせず親に反抗する~」と嘆いていたらしいのです。30年どころか2400年以上も前から「最近の若者は・・・」と言われ続けてきているのですね。


 このような背景には、アンコンシャス・バイアスの存在があるからかもしれません。アンコンシャス・バイアスとは、「思い込み」、「無意識の偏見」です。自分の知識や経験などをもとに後輩に対し「こうであるべき」「こうだろう」というフィルターにかけて見てしまうのです。例えば、有給休暇を積極に取りましょうという会社が推奨しているのにかかわらず、ある先輩は「あいつは何で休みを多く取るのだ」と愚痴をいって、自分は効率の悪いやり方で仕事をして、いつまでも残業するような人もいます。このように、過去の経験などと結びつけ、後輩を非難し、自分は一生懸命仕事をしているつもりが、会社にとっては効率の悪い社員となってしまうのです。


 とは言っても、他人のやり方には、ついつい口を出してしまい、自分の中の過ちには気付かないのが通例ではないでしょうか?私自身も気づかないうちに、自分が正しいと思い込み、後輩に迷惑をかけることが多くありました。


 「あなたは、兄弟の目にあるちりは見えるのに、自分の目にある梁には、なぜ気がつかないのですか。兄弟に向かって、『あなたの目からちりを取り除かせてください』と、どうして言うのですか。見なさい。自分の目には梁があるではありませんか。」(マタイ7:3,4)


 「今の若い者は・・」本当にそうでしょうか?自分の考えが正しいのか?よく考えてみてはいかがでしょうか?


(2024年  通巻478号)


閲覧数:26回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Comments


bottom of page