今年2025年は、十二支の6番目・巳(み・へび)年にあたります。年賀状によく登場する「十二支」は、古代中国で年月時刻や方位を表すのに用いられていました。紀元前3世紀頃には、十二支に「動物」があてられるようになります。順番を覚えやすくするために、動物をあてはめた表現が使われるようになったそうです。日本には中国から朝鮮半島を通じて、紀元後6世紀頃に伝わりました。
ところで、旧約聖書の冒頭・創世記には、蛇(へび)が人を誘惑する動物として登場します。
「さて蛇は、神である主が造られた野の生き物のうちで、ほかのどれよりも賢かった。蛇は女に言った。『園の木のどれからも食べてはならないと、神は本当に言われたのですか。』」 (創世記 3章1節)*
神である主は最初の人アダムに、「あなたは園のどの木からでも思いのまま食べてよい。しかし、善悪の知識の木からは、食べてはならない。その木から食べるとき、あなたは必ず死ぬ」と命じていました。蛇はその言葉を人に曲解させ、その実を食べても「決して死にません」と嘘をつきます。人の方も、神から聞いた言葉はうろ覚えでした。そして神のようになって善悪を知りたい、という思いが人に芽生え、その実を食べてしまいました。こうして世界に死が入り、死がすべての人に広がったのです。
昨年は世界中で選挙が行われました。SNS上にたくさんのフェイクニュースが拡散され、問題となりました。インターネット詐欺のニュースも毎日のように送られてきます。すぐ身近に「悪」が存在していると感じます。
「悪」は実に巧みな嘘をついてきます。どのように見分ければよいのでしょうか。それは真実な言葉に触れ続けることです。偽札を見分けるには、ひたすら「本物」の紙幣に触れ、本物を身体に覚えこませるそうです。蛇の言葉ではなく、神の言葉を信じたいものです。この年も聖書の真実な言葉に触れていきましょう。
*聖書 新改訳 2017©2017 新日本聖書刊行会
(2025 年 通巻 486 号)
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