「うつからの回復」
- Masato Ujiie
- 2012年8月25日
- 読了時間: 2分
最近、うつ病が増加していると言われています。私は仕事柄、多くのうつ病の方々と接しますが、厚生労働省の統計でも、1996年には43.3万人であった患者数が2008年には104.1万人と9年間で2.4倍に増加しています。統計的にも、うつに苦しんでいる方が多くいらっしゃることがわかります。
聖書にもうつに陥った人々の話が出てきます。「疲れ」「孤独」「絶望」「怒り」などのさまざまなストレスの中で、人生の暗闇を通った人々の話です。今から2000年以上も前、現在のようにうつ病のための薬もなかった時代のことです。その人々はどのようにしてうつを克服したのでしょうか。
聖書の登場人物の置かれた状況はさまざまですが、共通するのは「神」というキーワードです。人々は苦しみの中で神に祈り、時に怒りを吐き出し、ある人は神から進むべき道を示され、またある人は具体的な解決が与えられ、また思い違いを正され、休息を与えられました。
全ての登場人物が、うつを克服するために同じ方法をとっているわけではありませんし、神様も同じ働きかけをされているわけではありませんが、私たちは聖書の登場人物のさまざまなエピソードを読むことによって、「この人が経験している状況は今の自分と似ている」ときには「自分と同じ」というように、自分にあてはまるヒントを見出すことができます。
かくいう私も何度、聖書に助けられてきたことでしょう。聖書の登場人物と同じように神に祈ることを教えられ、思い違いを正され、また実際に解決が与えられたこともあります。聖書がなければ、私もうつに陥っていたかも知れないと時折思います。
今はそのような経験の一つひとつが、自分を成長させるきっかけになったと思います。厳しい状況にあるとき、聖書を開き、神に祈ることのできる幸いを思います。
「私が苦しみの中から主にお願いすると、主は答えてくださいました。・・・私の神、主よ。あなたは私のいのちを穴から引き上げてくださいました。」(ヨナ2:2、6)
(2012年 通巻 61号)
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