「『関わり』というレンズを通して見れば」
- Masato Ujiie
- 2013年10月12日
- 読了時間: 2分
最近、「The Relational Manager」(「ザ・リレーショナル・マネージャー」Schluter & Lee執筆)という本を読みました。日本ではあまり知られていないのではないかと思いますが、「リレーショナル・シンキング」(関わり優先思考)に基づく経営をテーマとした本です。この考え方は「関わり」というレンズを通して世界を見ることが何より大切で、効果的だと教えています。
「リレーショナル・シンキング」は世界のリーダーに評価されています。例えば、オーストラリアの元財務大臣タナー氏は「リレーショナル・シンキングはより良い経営者を目指す人にとって、重要なツールだ」と言いました。
「リレーショナル・シンキング」は物事の見方を取り上げます。世界を見るとき、私達は何らかのレンズを通して見ます。例を上げると、経済と言うレンズや、エコと言うレンズなどです。
例えば、大切な顧客の売り上げが減ったとしましょう。経済的なレンズを通してこの問題を見れば、売っている物の価格に集中して、解決しようとします。けれども、関わりのレンズを通して見れば、ライバル社の販売員が相手を訪問したかどうか、相手のニーズが変わったかどうか、双方で共有していた価値観にズレが生じたかどうかなどを考えることになり、解決しようとします。
多くのビジネスの研修は経済面に焦点を当てます。会社の利益、株主価値を高めること、経費を削減することが中心となっています。けれども、長期的な成功の鍵は正しい関係を持つことです。経営コンサルタントのトム・ピーターズはこう言いました。「現代の一番知恵のある会社は、意図的に関わりに多くの時間と努力を注ぐ会社です。」
イエス様は一番大切な戒めが、「あなたの神である主を愛せよ」と「あなたの隣人を愛せよ」だと教えました。(マタイ22:37
39)「愛」は関係の質を表す言葉です。神様と良い関係を築くこと、また全ての人(仕事において会う人を含めて)と良い関係を築くことはビジネスの成功につながるだけではなく、人生の意味と目的を見つけるために欠かせないことです。この本には、経営者のための具体的なアドバイスがあるので、次回のパンフレットでもこのテーマを取り上げます。
(2013年 通巻115号)
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