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「身の回りの平和から」


 年度末を迎え、慌ただしく仕事をされている方も多いと思います。

 今年度を振り返ると、コロナに始まりコロナに明け暮れたような気がします。筆者の職場は第6波の中で、増え続けるコロナ関連業務に多くの人手を割かねばならず、さらにそのような中で保育園や学校が休みになり、あるいは職員自身が濃厚接触者や感染者となり、急激に戦力が減少していく時期を何度か通りました。


 ある時は、本当に危機的な状況に陥り、どうしたら事態を乗り切れるか頭を抱えました。するとその時にうれしいことが起こりました。


 職場の中に、自主的にサポートチームが生まれ、危機に陥った係に手を差し伸べたのです。中には普段は反目し合っていた職員もいましたが、そのような関係を越えて助け合い、知恵を出し合って見事に危機を乗り切ってしまいました。今はこのことをきっかけに職場の雰囲気が少し良くなったと感じています。


 さて、最近のウクライナ危機ですが、「21世紀にこのような侵略戦争が起きるとは」という驚きの声を聞きます。昔とは価値観が変わり、人々の考え方も進歩しているはずなのに、何故このようなことが起こるのかという問いです。


 しかし、同じような声は第2次世界大戦の時のユダヤ人虐殺の時にもありました。この問いに対し、今からおよそ2千年前に書かれた聖書は人の本質は変わらないと昔から警告しています。


 「彼らの足は血を流すのに速く、彼らの道には破壊と悲惨がある。彼らは平和の道を知らない。」(ローマ3:15~17)


 私たちの身近な職場や家庭にも争いや反目があります。このような身近な反目が集まって、やがては国レベルの大きな争いにつながっていくということも聖書は教えています。まずは自分の問題に目を止め、出来ることから始めることの中から平和が生まれるような気がします。

(2022年 通巻420号)

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